会の紹介

「日本野鳥の会 石川」は、自然にあるがままの野鳥に接して楽しむ機会を設け、また、野鳥に関する科学的な知識及びその適正な保護思想を普及することにより、県民の間に自然尊重の精神を培いもって人間性豊かな社会の発展に資することを目的としています。

歴史

「日本野鳥の会 石川」の前身は25年の活動を行なっていた「石川野鳥の会」でした。そして、より実践的な自然保護団体をめざして同会を発展的に解消し、全国組織である財 団法人「日本野鳥の会」と連携して1980年3月に「日本野鳥の会 石川支部」が設立されました。その後、2010年6月に「日本野鳥の会 石川」と改称しました。

普及活動

探鳥会

 

月1回行われる定例探鳥会と季節に応じて県内各地で開催している一般探鳥会があります。はじめての人でも野鳥を楽しく観察できる良い機会です。気軽にご参加ください。


インドアの会

 

毎年8月に行われています。会員の探鳥旅行報告や研究発表など野鳥に関する知識を高めるのに良い機会です。海外の探鳥報告は自然環境の違い、野鳥の違いなどワクワクします。


会報

 

会員向けに「石川の野鳥」を偶数月の年6回発行しています。特集、会員のエッセイ、探鳥会の様子や会員の野鳥情報などが記載されています。


調査・保護活動

ガンカモ調査

 

石川県内の主な集団渡来地のガン・カモ・ハクチョウ類の越冬状況調査を石川県の委託で行なっています。これは越冬状況を明らかとするとともに 越冬地での人間の活動や環境の変化が鳥たちに及ぼす影響を調べる目的です。この調査は環境省により毎年1月に全国一斉に行われています。

 

全国の調査結果は環境省の「生物多様性情報システム」に公開されています。


タカ渡り調査

 

石川県におけるサシバ、ハチクマなどのタカ渡り調査を会員有志によって行なっています。


普正寺の森犀川河川工事対策委員会

2015年10月、定例探鳥会として親しんできた普正寺の森の河川に大規模河川工事が行われることを知り、同年12月に普正寺の森犀川河川工事対策委員会を立ち上げて森を守るための活動をしています。


これまで有識者の方々から意見を聞き、生物環境調査にも参加してきました。現在も、県と意見交換をしながら環境の保全のための活動を推し進めています。

対策委員会の活動は「普正寺の森を守ろう」ブログで公開されています。


能登風力発電事業への環境アセスメントへの意見

 

 

次世代のエネルギー資源として自然エネルギーを活用することはとても価値のあることです。しかし、2017年より既存の風力発電施設に加え、全国の中でも集中的に膨大な数の風力発電施設の建設が計画されています。(稼働:9発電所、計画:13事業(内事業廃止:2))
この建設では、バードストライク等の懸念があるため、(公財)日本野鳥の会と連名で環境アセスメント法に基づいて、配慮書、方法書、準備書が縦覧される度に意見を提出しています。

また、計画が明らかになるに従い、事業領域の重複や隣接する事業領域などが見られ、特定の事業だけではなく建設計画の地域全体での累積的な影響(複数の事業が並行して行われる場合の相加的、相乗的影響)についても意見を述べています。なお、石川県には2020年の11月に多くの建設計画に対する累積的な影響についての要望も提出しています。


トレイルラン実施時期への要望

昨今のブームによって県内でも多くのトレイルランが計画・実施されています。トレイルランのコースがイヌワシ (絶滅危惧種)、クマタカ (絶滅危惧種)、ミサゴ (準絶滅危惧種)、オオタカ (準絶滅危惧種)や遠く東南アジア川渡ってくるハチクマ (準絶滅危惧種)、サシバ (絶滅危惧種)などの猛禽類の繁殖地近くに設定される例が見受けられます。

このため、2018年から北陸鳥類調査研究所と連名で「トレイルランを計画する場合には、猛禽類の繁殖時期を避けるか、品繁殖地でのコース設定をされるよう」要望を、石川県の各市町に毎年提出しています。

以前の保護・調査活動については下記をお読みください。


舳倉島の野生化飼いネコ対策活動

舳倉島は渡り鳥の中継地点として多くの野鳥が渡りの途中に休息する場所です。野生化飼い猫ネコの増加により渡りに疲れきった野鳥が襲われる例が増えてきま した。中には絶滅危惧種も含まれています。そのため、2009年より野生化飼いネコの保護や避妊手術などの活動を2013年まで行なっています。

犀川中流域の野鳥調査

犀川中流域は野鳥が多く生息している場所です。この中流域が治水工事により様変わりをしつつあります。この工事による野鳥への影響を調べ、少しでも野鳥にやさしい環境を整えられないかの活動を2016年まで行っていました。

舳倉島・七ツ島の自然環境調査

2008年、環境省委託による七ツ島自然環境調査を実施しました。オオミズナギドリの個体数推定やヒメクロウミツバメ、野生化したアナウサギの生息調査を行っています。
2008年から2009年にかけて、北国新聞社による舳倉島、七ツ島の自然環境調査に参加し、鳥類調査を行いました。(北陸新聞社出版「舳倉島・七ツ島からの手紙」にまとめらている)

あわら風力発電の建設に反対表明

2006年3月、福井県あわら市の北潟湖畔に風力発電所の建設計画がもちあがりました。福井県支部、日本野鳥の会本部と共同で、あわら市、事業者その他にガン類に影響を与える建設には反対であることを表明し、建設予定地の変更を要望しています。

ヒメクロウミツバメの調査

いしかわレッドデータブック制作のため、1998年7月18日から19日に七ツ島でヒメクロウミツバメの調査を行ったが生息は確認できませんでした。

石川県の鳥類の編集

1998年4月、石川県の自然シリーズ「石川県の野鳥」を企画編集。県内で確認された鳥類リストを整理して代表的な野鳥生息地を紹介した冊子です。石川県環境安全部より発刊されました。

油災害鳥類影響調査

1997年の1月、3月、5月と3回にわたって七ツ島の周囲での油の漂着状況を調査しました。また、2回目と3回目には荒三子島に上陸してカンムリウミスズメの営巣状況を調査し、3回目には営巣を確認できました。

海鳥救済活動

1997年1月2日、ロシアのタンカー「ナホトカ号」が遭難し、流出した重油が福井県三国、加賀海岸、能登沖へと押し寄せました。加賀市の海岸でウトウが 保護され、支部会員による海岸パトロールと野鳥園(現在閉園、「いしかわ動物園」に統合された)での救護活動を行いました。

県内で保護された鳥はウミスズメなど250羽、死体回収された鳥は360羽です。全国では保護が400羽、回収が900羽であり、おおよそ半数が石川県で回収されてた状況でした。保護された鳥のうちで回復した110羽はウトナイ湖サンクチュアリに空輸されました。

 

舳倉島、七ツ島自然環境調査に参加

1983年から1984年にかけて石川県が行った舳倉島、七ツ島自然環境調査に参加しています。舳倉島での鳥類観察記録をまとめ、七ツ島ではオオミズナギドリの個体数推定やカンムリウミスズメ、ヒメクロウミツバメの生息調査を行いました。

写真集発刊

1983年7月、舳倉島をはじめ、石川県内で撮影された野鳥の写真集「北国の鳥」が誠文堂新光社から発刊されました。支部会員の写真だけを使用し、企画編集も会員が行ったもので地方の野鳥写真集の先駆けとなっています。

舳倉島の野鳥調査

舳倉島の野鳥調査は「石川野鳥の会」の当時から地道に続けられていました。1955年5月、「舳倉の島」を発刊しています。1975年に舳倉島が渡り鳥の中継地であることが発見されてから毎年、会員による調査が続けられました。1979年、「舳倉島の鳥」発刊。1981年、「舳倉島の鳥(続)」発刊。